代表　土持挨拶

現代の小学生世代は、電子機器の普及により外で遊ぶ機会が減少し、直接目を見て会話をしたり、身振り手振りを交えたコミュニケーションをとる機会が大きく減っています。私たちヴェルディ相模原は、サッカーを通して「人間形成」を目指しています。それは単なるスローガンではなく、スタッフ一人ひとりが、子どもたちと真剣に向き合い、互いを理解し合うという覚悟を持って取り組むという意味です。
特に小学生年代は、さまざまな人と出会い、理解し合い、時にぶつかり合いながら多くを学んでいく大切な時期です。私は、そういった「人との関わり」の積み重ねこそが子どもたちの成長に不可欠だと考えています。しかし、現代社会はコンプライアンスが強く求められるあまり、人間らしい心のぶつかり合いや、子どもたちが本気で感情をぶつけ合う場面が軽視されてはいないでしょうか。

私は、子どもたちが本気で喧嘩をすることが必ずしも悪いことだとは思いません。もちろん、いじめや年長者による横暴は許されるものではありません。しかし、年齢が異なる子ども同士でも時に喧嘩になることはあります。
大切なのは「なぜ喧嘩になったのか」をしっかりと見つめることではないでしょうか。ただ「喧嘩両成敗」や「年長者が悪い」と決めつけるのではなく、その背景や子どもたちの気持ちに寄り添うことが重要です。
子どもたちは必ず理由があってぶつかり合います。その気持ちや原因を無視してしまっては、本質的な成長にはつながりません。一番大切なのは「子どもの気持ち」に耳を傾けることだと考えています。
子どもたちは、人と本気で楽しみ、本気でぶつかり合いながら成長していきます。
私たちヴェルディ相模原は、これまで多くのプロ選手を輩出してきました。指導者はそれぞれの分野でスペシャリストですが、何より「子どもを第一に考える」という姿勢を大切にしています。そして、成長した子どもたちがまたこのクラブに戻り、100年後も愛され続けるクラブを目指しています。